2009年5月 Archive

仕事もばたばたしてましてなかなか書けませんでした。ま、こんな時代にそこそこ忙しいのは幸せかもしれません。
実はいまこの話とは別の短編エッセイを書いていまして、それはまだ非公開ですが、旅は続きます。

途中からの方はこちら↓
第1話:CONTAX T2とNew York
第2話:T2との旅、その2
第3話:T2との旅、その3
第4話:T2との旅、その4


ローマ、素晴らしい街だった。

ローマ市内に入り、車がヴェネツィア広場にさしかかったとき、もう、完全にこの街にやられてしまった。

郊外のホテルにチェックインして、すぐに地下鉄で市内に入った。
地下鉄は思ったより近代的で清潔だったが、物乞いをするジプシーの少女や、どうみても危険な香りがする人々が多く、貧富の差がある大都会なんだなとつくづく思った。
滞在中、何度かスリに遭遇した。人ごみで何食わぬ顔でバッグのファスナーを開ける。やめろ、と手を払っても何食わぬ顔で消えて行く。
スリは決まってまともな格好、いや、どちらかというとキレイに着飾っていた。毛皮を着たマダムもいた。
また観光客目当てのキャッチセールみたいな男たちは決まって日本人男性をみると、「ナカタ、ナカタ」と声をかけて来た。
ちょうどそういう時代だった。
地下鉄のホームでベンチに座って列車を待っているとき、白人の若者と短い会話をした。テキサスから来て、ローマの大学に通っていると言っていた。

中心街で気になったのは日本語の看板とか張り紙が多い事。
インターネットカフェの看板。「PC日本語使えます。」
レストランのドアに。「日本語メニューあります。」
こういうのは冷める。
余談だが昨年パリのノートルダム大聖堂で見た「Welcome」が数カ国語で書いてある大きな垂れ幕。ひらがなで「よこそう」って書かれた間違った印刷を上から「ようこそ」に手書きで書き直してあった。パリで大笑い。

けど、ローマは最高。
コロッセオフォロロマーノサンタンジェロ城
中でもバチカンは素晴らしかった。ほぼ1日をここで過ごした。
偶然、ローマ法王が窓からクリスマスの謁見をしていた。
美術館に入る警戒は空港以上に厳重だった。空港のような金属探知のゲートを通ったあと、完全防備の兵士に網状の金属探知機で全身を調べられた。

圧巻だったのはシスティーナ礼拝堂と、サン・ピエトロ大聖堂で巨大な防弾ガラスに覆われたミケランジェロの「ピエタ」。言葉を失った。
大理石で出来た皮膚も、筋肉も、血管も、髪の毛も、シルクの裾も、全て恐ろしくリアルだった。天才っていうのは本当はこういう事を言うんだろう。

ローマ2日目の夕方、スペイン広場の階段に座って地図を見ていると、久しぶりにあのカップルが僕を見つけて声をかけて来た。この大きな街で凄い偶然。

「やっぱカメラ買ったんですよ。」

彼は満面の笑みで、手に持った「写ルンです」を見せてくれた。

僕は「じゃそのカメラで二人を撮ってあげるよ。」といって、プラスチックのファインダーでアングルを決め、ローマの街をバックに二人の写真を撮った。
シャッターの感触はとても頼りなかった。もちろん二人はサングラスをかけて、例のピースサインをしていた。

彼が僕の写真も撮らせてくれと言うので、僕もピースサインをしてみた。
僕のT2で自分を撮ってくれとは彼には言わなかった。なんとなくね。手渡す気がしなかった。
いくつか雑談をして、僕は彼らと別れて街を歩き、テルミニ駅地下のスーパーマーケットで酒とつまみを買い、歩き疲れた僕はタクシーでホテルに戻った。多くのタクシーはムルティプラだった。

翌朝、部屋の電話が鳴った。
寝ぼけながら電話をとると、とても親切で知的なあの女性添乗員からの内線電話だった。彼女は偶然僕と同郷で、嫌いなタイプではなかった。

「突然すみません。ローマに来るといつも行くおいしいレストランがあるんです。明日は日本に帰るので、良かったら今夜ご一緒しませんか?」

断る理由は無かった。

「では、夕方6時にロビーで会いましょう。」

僕は部屋のカーテンを開けた。眩しくいい天気だった。

つづく。

旅は続きます。

途中からの方はこちら↓
第1話:CONTAX T2とNew York
第2話:T2との旅、その2
第3話:T2との旅、その3

(前回のつづき。)


Buono! Buono!
(美味い、美味い)

月曜日の朝、フィレンツェに入り初めての食事は少し早いランチ。僕は市内の小さな安食堂にいた。美しすぎる街並に、僕はあのカップルの事を既に忘れていた。

セルフサービスで沢山の新鮮なサラダと生ハム、いくつかのパスタを好きなだけ、そしてもちろんBirra Moretti(ビール)をトレーに載せて、近くの現場で工事をしている地元の作業員風の大男達とレジにならんだ。
ビールの栓抜きを探して、レジにいる僕の英語は通じない年配の店主に、テーブルからジェスチャーで「栓抜きが欲しい」と伝えると、嬉しそうに店主は僕のテーブルの側面を笑顔で指差した。
テーブルの通路側の天板側面に釘で打ち付けられたヒモに栓抜きがぶら下がっていた。こういうのいいねぇ。

もう、美味い、美味い。この食事は忘れられないね。

350px-Uffizi_Gallery,_Florence.jpgお目当てのウフィツィ美術館は、月曜日は休館日。ただ年に一度クリスマス前のこの日だけは開館するという。そのことはあまり知られていないとの事で、普段はものすごい混雑する美術館もガラガラ。 教科書で見るようなダビンチ、ミケランジェロなどのルネサンス絵画が、触れられそうな距離で防弾ガラスも無く見る事ができる。

トスカーナの古都、世界屈指の芸術都市であるこの街の雰囲気は圧倒的だった。沢山歩いてT2で写真を撮りまくった。

いつも旅の食事は地元の食堂や総菜屋などに行く事が多いが、まる2日フィレンツェの街を満喫した最後の夜、郊外のホテル、シェラトンフィレンツェに戻り、たまにはホテルのレストランで食事をしようと思い立った。


品のいいレストランで案内された席に向かおうとしていたとき、突然、僕の名前を呼ぶ声がした。嫌な予感がした。

奥のテーブルにあのカップルがいた!忘れていたのに。

「お知り合いですね?ではお隣のテーブルへどうぞ。」とばかりに給仕は僕の席を二人の隣のテーブルに変更した。

お客は全て外国人。二人は大ピンチに現れた救世主でも見るように立ち上がって嬉しそうに僕に手を振っていた。店内にいたお客がみんなこっちを見ていた。二人はかなり酔っぱらっていた。

彼:「てかぁ、メニューが全部イタリア語(もちろん英語でも書いてあったが)じゃないすかぁ。オレら何を頼んでいいかわからなくて。んで最初に適当に頼んだワインを続けてもう3本飲んじゃったんです。助けてください。」

二人が何が食べたいかを聞いて、自分のオーダーと一緒に適当に頼んであげたが、もうかなり飲んでいた二人はほとんど手をつけなかった。

「旅は楽しんでる?」って聞いても。

「ホテルが郊外だから、街に行くのもバスやタクシーに乗るの緊張するじゃないすかぁ。街でも食事も困るので、あまり出かけてないんす。」

何とももったいない。

「けど、サングラス買ったんです。途中のアウトレットで。」とまたもや派手なサングラスを見せてくれた。

明日から念願のローマ、けど間違っても彼らに「じゃ、明日は一緒に観光しようか?」なんて言葉はさすがに親切な僕でも出てこなかった。

贅沢なイタリアンとワインで満腹になった僕は彼らと別れ部屋に戻った。

つづく。

Live! Live! Live!

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名古屋から携帯でいくつか写真をあげましたが、途中で飽きて中途半端なまま、まったりと連休で疲れを癒してました。

ちょっとさかのぼりますがライブレポ。

2009/04/19「LCP at 甲府KAZOO HALL」

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この日は8ottoLAZYgunsBRISKYMOWMOW LULU GYABANと対バンも超強力。思えばKAZOO HALLはほぼ3年ぶり。MOWMOW LULU GYABANは特にヤバかった。最高。

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いつもと違うお客さんが沢山。とても楽しんでいただいたと思います。ありがとうございました。

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そして、次は
2009/4/24「NORO at 青い部屋」

会議でちょうど都内に入り、サエキけんぞう氏が中心になりフランスのプロデューサー、ファブリス・ラヴェル・シェイピイ氏も招かれたイベントにゲストで入ってきました。フランス人、日本人入り交じって満員の青い部屋でした。

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レコ発ツアーも、福岡や広島のインストアも同行できなかったレーベルダメ代表ですが、久しぶりに見るNOROのLiveはさすが、場数踏んできて堂々としてたな。よかったよかった。

NOROにサエキけんぞう氏も紹介してもらい、お話しできて収穫ありました。サエキ氏「おお、噂の山梨のレーベルかぁ」。LCPが出演したフランスのNolife-tvもよくご存じとの事。


連休前はお酒飲む機会も多く、トラブルで深夜自宅にどうしても入る事ができなかった事件もあり、かなりの寝不足と疲れを抱えたまま、名古屋公演へ行ってきました。


2009/05/02「LCP at 名古屋Swing」

AM10時出発、心配したETC渋滞にも巻き込まれず、PM3時には名古屋駅前のホテルにチェックイン。一休みして会場入り。対バンはおなじみS.B.B。老舗のJazz Club 「Swing」。

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リハーサル中、Paulの機材にトラブル発生。居残り復旧中。かわいそうに。

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気を取り直して、せっかく名古屋に来たので、手羽先、みそ串カツ、もちろんビールです。
ほとんど打ち上げみたいですが、本番前です。

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LCPも75分ほど演奏。お客さんも盛り上がっていただきました。写真は無いです。

そんで、若き天才Jazz Funk Band「S.B.B」。もう超強力ですよ。参考にならないくらい上手いです。センスもいい。若いのにすごいなぁ。人柄も皆さんいいんです。

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彼らは6月27日に山梨でライブがあります。同じく尊敬する名古屋のバンド「Native」、そしておまけでLCPです。詳細はまた。

深夜迄話し込み、午前3時前にホテルに到着。楽しかった。


帰りのサービスエリア。味噌カツ食べた後、みんなでソフトクリーム。連休家族づれでごった返すなか異様な集団、LCP。けして怪しいものではありません。

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僕は一人でワインです。行きに運転したので帰りはみんなにおまかせ。

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そんな感じで、近況でした。胃腸に疲れがたまってここ数日ぐったりしています。

では、モブログは途中で飽きましたが、旅エッセイは続きます。お楽しみに。

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とりあえず。

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老舗のJazzClubです。

今夜は名古屋

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LCPのライブです。ホテルにチェックインしてひと休み。
これからハコに向かいます。

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