旅は続きます。
途中からの方はこちら↓
第1話:CONTAX T2とNew York
第2話:T2との旅、その2
第3話:T2との旅、その3
(前回のつづき。)
Buono! Buono!
(美味い、美味い)
月曜日の朝、フィレンツェに入り初めての食事は少し早いランチ。僕は市内の小さな安食堂にいた。美しすぎる街並に、僕はあのカップルの事を既に忘れていた。
セルフサービスで沢山の新鮮なサラダと生ハム、いくつかのパスタを好きなだけ、そしてもちろんBirra Moretti(ビール)をトレーに載せて、近くの現場で工事をしている地元の作業員風の大男達とレジにならんだ。
ビールの栓抜きを探して、レジにいる僕の英語は通じない年配の店主に、テーブルからジェスチャーで「栓抜きが欲しい」と伝えると、嬉しそうに店主は僕のテーブルの側面を笑顔で指差した。
テーブルの通路側の天板側面に釘で打ち付けられたヒモに栓抜きがぶら下がっていた。こういうのいいねぇ。
もう、美味い、美味い。この食事は忘れられないね。
お目当てのウフィツィ美術館は、月曜日は休館日。ただ年に一度クリスマス前のこの日だけは開館するという。そのことはあまり知られていないとの事で、普段はものすごい混雑する美術館もガラガラ。 教科書で見るようなダビンチ、ミケランジェロなどのルネサンス絵画が、触れられそうな距離で防弾ガラスも無く見る事ができる。トスカーナの古都、世界屈指の芸術都市であるこの街の雰囲気は圧倒的だった。沢山歩いてT2で写真を撮りまくった。
いつも旅の食事は地元の食堂や総菜屋などに行く事が多いが、まる2日フィレンツェの街を満喫した最後の夜、郊外のホテル、シェラトンフィレンツェに戻り、たまにはホテルのレストランで食事をしようと思い立った。
品のいいレストランで案内された席に向かおうとしていたとき、突然、僕の名前を呼ぶ声がした。嫌な予感がした。
奥のテーブルにあのカップルがいた!忘れていたのに。
「お知り合いですね?ではお隣のテーブルへどうぞ。」とばかりに給仕は僕の席を二人の隣のテーブルに変更した。
お客は全て外国人。二人は大ピンチに現れた救世主でも見るように立ち上がって嬉しそうに僕に手を振っていた。店内にいたお客がみんなこっちを見ていた。二人はかなり酔っぱらっていた。
彼:「てかぁ、メニューが全部イタリア語(もちろん英語でも書いてあったが)じゃないすかぁ。オレら何を頼んでいいかわからなくて。んで最初に適当に頼んだワインを続けてもう3本飲んじゃったんです。助けてください。」
二人が何が食べたいかを聞いて、自分のオーダーと一緒に適当に頼んであげたが、もうかなり飲んでいた二人はほとんど手をつけなかった。
「旅は楽しんでる?」って聞いても。
「ホテルが郊外だから、街に行くのもバスやタクシーに乗るの緊張するじゃないすかぁ。街でも食事も困るので、あまり出かけてないんす。」
何とももったいない。
「けど、サングラス買ったんです。途中のアウトレットで。」とまたもや派手なサングラスを見せてくれた。
明日から念願のローマ、けど間違っても彼らに「じゃ、明日は一緒に観光しようか?」なんて言葉はさすがに親切な僕でも出てこなかった。
贅沢なイタリアンとワインで満腹になった僕は彼らと別れ部屋に戻った。
つづく。
続編、楽しみにしてました。
ブログの写真はT2のものでしょうか・・・?
ちなみに私も海外では多分外には出られません!
この後も…何かありそうな よ・か・ん
おまたせしました。
ちょっとばたばたしてましたが続編書いてみました。
http://noriom.com/archives/200905/310321.php